まあ なぜか思い出したで少し。
10年ほど前の話。僕は当時失業していて、毎日のようにハローワークに通っていて、鬱で、生きづらさを抱えていて、孤独で、処方薬依存とギャンブル依存症だった。今もだが(笑)。
その時、ハローワークでセミナーが開催されて、たまたま僕はハローワークの玄関のチラシ置き場から、そのチラシを手に取った。なぜなら気になるキーワードがあったから。
「講演 生きづらさを抱えて生きる 元アルコール依存症者 月乃光司 」とあった。
「生きづらさ」「依存症」に反応してしまった。僕の興味はどうやって依存症から回復したのか、「生きづらさ」を抱えてどうやって生きているのか だった。
当時、僕はどんだけ履歴書を送っても仕事に受からず、鬱はひどくなり、実家に居場所もなく、そんな時にそのセミナーは開催された。
なんてファンキーな。と思いながら、恐る恐る僕は参加した。そこで月乃さんは一通り自分の話をして、最後に詩を音楽にのせて朗読してくれた。
それは何というか、咆哮であり、嗚咽であり、魂の叫びであった。
僕は目の前でそんなことをする人を見たことがなかったので、ひどく感動してしまい、帰りに詩集を買ったし、マイミクを申請した(笑)。
最後に僕は月乃さんに話しかけた。
「青森には自助グループがないんです。どうすればいいんですか?」
そうしたら、月乃さんはぼそっと答えてくれた。
「自分で作ればいいんだよ」
それから2年後、僕は縁があって青森に自助グループを作る手伝いをした。
マイノリティだなんだと言われるずっと前から月乃さんは活動していた。本当のマイノリティの時代に。
詩集はしばらく大事に持っていたが、10年も経つとどこかに行ってしまった。
久しぶりに検索してみると、月乃さんは元気そうだった。回復者が元気な姿を見ると本当に勇気づけられる。
その余談があって、どうして青森の片田舎でそんなファンキーなセミナーがあったかというと、当時、セミナーを企画した高齢の職員さんが最後に話してくれた
「実は私、60歳を過ぎて鬱になりましてね。大変でした。でも何とか生きてる。それを皆さんに伝えてたくて。」
という話をしてくれた。僕は涙をこらえきれなかった。
同じ悩みを持つ者の話がどんなに勇気づけられるか、思い知った10年前のセミナーだった。
久しぶりに軽い鬱を感じて、そんなことを思い出していた。
今日も賭けない一日をありがとうございました!