スリップすることより大事なこと。

スリップとはギャンブルをやめると決意したけどまたギャンブルしてしまうことを指す。

それは誰にでもあることである

まずはスリップする要因を考えてみよう

僕は2つの面があると思っている

1つ目は金銭面

僕がスリップした人の相談を受けて始めに話すことは

「なぜギャンブルするお金を持っていたのか?」ということである

お金があるならギャンブルをするのは当たり前である

だから具体的対策が必要なのだ

例えば

・金銭管理を支援してもらう

・キャッシュレス決済を利用する

・債務整理を行う など

ギャンブルを金銭的にできない工夫をしなければいくらでも失敗する

僕だって自由になる大金があればスリップする 

それだけの話。

2つ目は痛みを忘れるから

ギャンブルをやめようと決意した時はきっと周りの人に迷惑をかけたり、罪を犯したりして

とても痛い思いをして、謝罪などもしただろう

ただその痛みは時間と共に薄れていく

「こんなに借金を作って死ぬしかない」と思っていた人が

半年もすれば笑って暮らしている

それ自体は人間が生き延びるために必要なことだ

ただギャンブルに関して言えば痛みを忘れていくと

「別にもういいか」「どうせ辞められない」になっていく

最初の決意はどこへいったのか?

もちろん上記のことはギャンブル依存症者ならば誰でも経験する

だから僕らは経験と知恵を分かち合い

痛みを忘れないように新しく繋がった仲間の話で初心に帰る

もっともだめなパターンは

「どうせギャンブルは辞められない」「自分には無理だ」と

ギャンブルをやめることすらあきらめてしまうことだ

それが一番だめである

ギャンブルをやめることすらあきらめてしまうと

そこからは無限ループに陥る

「ギャンブルやめなければいけない」⇒「やっぱり辞められない」⇒「どうせ俺には辞められない」⇒「なぜ我慢しなければいけない?みんなやってるじゃん!」⇒再び元の生活へ戻る

そしてお金が尽きたり、他人に迷惑をかけたりすると

また最初に戻る。

その無限ループである。

そして抜けられない

実際僕も27年ほど抜けられなかった

1つだけ肝に銘じてほしいのは「ギャンブル依存症は死に至る病」ということだ

だからギャンブルをやめるしか生き延びる道はない

もしかして今の言葉を大げさだなと感じている人がいたらそれは甘すぎる

僕らの仲間は毎年数人が必ず自死する

必ずである

犠牲者が出ない年はない

その訃報のたびに僕らは肝に銘じて支援する

これ以上犠牲を出したくないと気持ちを新たにする

スリップよりも大事なことは

「ギャンブルをやめることをあきらめないこと」である

スリップなんて普通のことである。

9割の人はあきらめる

なぜなら自分であんなに決意したのにスリップしてしまうから

9割はあきらめる

何を?

ギャンブルをやめることを

でもさっきも言った通りあきらめると再び無間ループが始まる

無限ループを抜け出すには

スリップをポジティブに捉えればいい

ある仲間がスリップした仲間のことを

「順調に回復してる証拠だね」と言っていた

良い言葉だ

本当にギャンブルをやめる過程とは

スリップして修正して、またスリップして、また修正して、それでもだめで

仲間に教えてもらって、居場所ができて、やっと自分のことが言えるようになって

それでもだめで、だけどあきらめたくなくて、また頑張る

それくらいの話である

だからもしスリップしても

「ああ 俺は順調に回復してる途中なんだな」と思えばいい

そしてさらに言えばあなたや僕は「依存症から回復」のためだけに生きているわけではない

もっと楽しい生活や趣味や仕事のためにも生きている

いつの日か人生の楽しみがわかることを祈っています

今は辛いかもしれませんが いずれ今を振り返ることができるようになるでしょう

そうお祈りしています

今日も賭けない一日をありがとうございました!