映画「月」を観た。

映画「月」を観た

小説「月」も読んだ。

小説と映画は別物だった

小説はきいちゃんの頭の中を僕らが泳いでいる感じ

でも映画はもっとわかりやすく、映像的だ

原作からあの映画にするのはすごいなと感じた

映画は終始不穏な雰囲気で進んでいく

さとくんは観客の僕らにも問いかける

「あなただって障害を持つ子を産むのは嫌だと思ったでしょ?」

「誰だって、ごまかして、忘れていくだけじゃないの?」

「どうせみんな忘れていくんでしょ?」

と観客の僕らにも問いかける

僕は何とか反論すべき「言葉」を探す

でも

「それも一理あるのかもな」と半分納得している自分もいたりする

僕はそれに反論するきちんとした「言葉」を持ちたいと思う

心がないのは人間でない かもしれないけど

人間でないものを殺してもいいとは思わない

なぜ?

それをきちんと言える人間でいようと思う

「あなたも差別してるでしょ?」

そうかもしれない

だけどそれと排除するのとは違う

いずれ僕らは忘れてしまう

ただきちんと考えなければ同じことが起こる

起こるべくして起こる

小説の「月」も

映画の「月」も

はかなく美しい

「月」はただ在る

僕らはただ在る

僕は生まれてきたことに意味があるように祈る。