
「金銭管理」。。。ギャンブラーにとっては永遠のテーマかもしれませんね。なぜなら「金銭管理」こそギャンブルをやめる鍵の1つだったりするからです。
ただ僕にとっても大きな疑問が残るテーマではありました。
仲間に伝える側として「金銭管理」はどうすればいいのか? よくわかりませんでした。時にはギャンブラーの家族の方から「金銭管理はしない方がいい」とも聞いていましたし、でも「金銭管理」をしてもらってギャンブルを離れることができた仲間もいたからです。
この問題の1つの糸口にたどり着きました
この本です
家族のためのギャンブル問題完全対応マニュアル 田中紀子著 です。
もちろんこれは家族のための完全対応マニュアルです。ですが当事者にとっても多いに参考になりますし、僕にとって当事者の「金銭管理」をどうすればいいのかという1つの指針になりました。
本の内容を少し紹介しながら僕の体験も書いていこうと思います。少なくと今後ギャンブル依存症の家族側にとってはこの考え方がスタンダードになると僕は思っています。
~引用部分~
がっちり管理していると思っているつもりでも、うまい理由をつけてお金を引き出したり、知り合いなどから借りたり、家族のカードを拝借したり、なんとかしてギャンブル資金をつくってしまうのが依存症者なのです。
さらに、自由に使えるお金を極端に制限されると、よけいに「ギャンブルで増やそう」という思考になりがち。
・・・そんなわけで、金銭管理は成功しないだけでなく、問題をややこしくするだけで、何のメリットもありません。
~P84より~
またこんなことも書かれています
~引用部分~
本人が回復していくためには「管理されている立場」ではなく、自分のことは自分で責任を持つことが大切。
~p86~
回復途上の夫婦の場合には
~引用部分~
夫婦の場合は家計の管理は家族がやって、本人には定額で小遣いを渡します。月額いくらと決めましょう。家計に無理のない範囲で本人が納得できる額にしましょう。
定額の小遣いを決めたら、その使い道には一切口を出さないこと。一方、何らかの理由で「臨時にお金が必要」という訴えがあっても、出さないのが鉄則です。
~p87~
ということが書いてあります。そして
~引用部分~
管理を手放す方が、問題が早めに表面化します。つまり、より早い段階で回復の場に繋がるチャンスが訪れるのです。
~p86~
もちろん、田中さんは僕とは違い、多くの相談を受け、時には介入をし、多くの当事者、家族のエビデンスを持っている方ですので、これが1つの指針になるのは間違いないと思います。
実はこの件を考えたのはきっかけがあって、ギャマノン(ギャンブラーの家族の自助グループ)に繋がった家族からのすすめで当事者の自助グループに参加された方が「来月から月定額の小遣い制にします」と提案されたそうで、「どこかで読んだな」と僕が思ったのが田中さんの本だったので、「これはきっと家族の対応でスタンダードになるなあ」と思ったのです。
この「金銭管理」の問題も当事者によくよく聞いてみると「小遣いが少なくて不満に思い、再びギャンブルをしてしまった」という声や「管理されているのが不満だった」という声もよく聞いていました。
僕自身はどうだったかというとたまたま「誰も金銭管理をしてくれる状態になかった(笑)」ので、自分で失敗しながら今に至ります。その途中では食費を使い込み、もやしだけの生活もしました(笑)。失敗ばかりですね。今も訓練中ですし、今思えば「失敗からしか学習できない」と思っています。
これまで僕は「金銭管理」がお願いできるのであればしてもらった方がいいと思っていましたが、それも本当にケースバイケースだし、本人のためにも家族のためにもならないんだなあと感じました。
もちろん、協力者と同意の上、本人も協力者も納得した上で最初のうちは金銭管理をしてもらうというのはありだと今でも思っています。
ただ、当事者はそのことを時が経つと不満に思ったり、協力者のせいにしたりするので、最終的には自分の責任で自分で管理することを目指していくべきなんだろうなあと思います。
では、金銭管理の協力を得られない場合や月額の小遣い制の場合どうしたらいいのか?
もうそれは「トライアンドエラー」しかありません
「やってみてだめなら、違うやり方を試す」これしかありません。
そして、それでもだめでも大丈夫です!!
自助グループがありますから!!!
お後がよろしいようで
今日も賭けない一日をよろしくお願いいたします!