
僕は病院に勤めている
だから誰もが突然病気にかかることを目の当たりにする
うちの病院は乳がんの患者さんもいて
若い女性も乳がんにかかる
手術や抗がん剤治療、その後何年も再発がないか通院する
また女性にとっては乳房を取るということは悲しいことだと思うし
男性の僕には想像もできないことだ
先日明日から入院だというまだ働き盛りの50代の女性に入院の説明をした
その時はなんとなく暗い印象だった
手術も受けたけど化学療法もしなければいけない
辛いことだと思う
しかも化学療法は何クールか続く
少なくとも数ヶ月は続く
経済的な負担もかかる
誰でも不安になると思う
これからどうなるか誰もわからない
次の日入院の時僕は彼女から書類を受け取るために番号で呼んだけど
最初どの人かわらからなかった
でもすぐにわかった
彼女は髪を短くし、明るい色に染めていた
「髪切ったんですね」
「どうせ髪抜けると聞いたので」
そういう彼女はどこか吹っ切れたようだった
「似合っていますよ」
「ありがとうございます!」
そう言いながら僕は彼女の治療がうまくいけばいいと願った
一口に乳がんといっても何個もの種類があって
良性、悪性、異形、遺伝性とかあまり詳しくはないが
それぞれで治療法が異なる
でも彼女のすっきりしたヘアスタイルを見て
清々しく思った
いいなと思った
治療がうまくいくといいな
そして週末、僕も少し明るい色に髪を染めてみた
今日も賭けない一日をありがとうございました!