
「春はあけぼの ようようしろくなりゆく~」
とは枕草子のくだりだが、高校の頃これを読んだ時
あまりよくわからなかった
「春は明け方よね」って何がいいのだろう?と(笑)
でも大人になって冬から春にかけ、3月にもなると明け方空が白くなるのが早くなり
「春が来たのだなあ」と感じてしまう
「ああ 清少納言はこのことを書いているのか」と感動したのを覚えているし
厳しい冬から春になると僕も
「春はあけぼの」を思い出してしまう
驚くのが「枕草子」が書かれたのがおよそ1000年前ということだ
想像もつかない
もちろん原本は存在せず、書き写しによる写本で伝えられてきた
言葉、書物が時や時代を超えて1000年前の感情が今に伝わっていることに
ただただ驚いてしまう
漫画「チ。」の中でも印刷した書物が時を超えていくことの描写があるが
そういえば歴史でその頃の発明に「活版印刷機」があったなあ
書き残したり、書物になって残っていくってことが大事だったんだなあ
それにしても
1000年前の清少納言の「春はあけぼのよねえ」という感覚を
1000年後の僕が「春は明け方だよなあ」と共感するのは
日本人だからなのか、人間だからなのか、とても不思議で歴史を感じる
平安時代の人の寿命なんて短く、清少納言も推定で60歳で亡くなったそうだ
いろいろと考えると紙の本の役割はまだまだあるような気がしている
春はあけぼのである
今日も賭けない一日を。