大学時代。
あの頃、僕は何もできなかった。
それだけなら良いのだが、なんでもできると思い込んでいた。
空想の中では
1人暮らしもかっこよくできて友達もいて、スマートに生活していた
まるでテレビドラマの世界のように。
それがまったく何もできなかった
洗濯も掃除も料理も人付き合いも。
でもやれると思っていた
だけどやったことがないことはやれるわけがなかった
そのギャップが凄すぎて僕はうつになってしまった
さらに言えばどう人と付き合っていけばいいのかわからなかった。
あの時は八方塞がりだったし、もはや何をどうしたらいいかもわからなかった。
たぶん あの頃は若かったし、頭だけの世界で生きていた。
当然、友達を作るには話をしなければいけないし
連絡先を聞かなくてはいけない
そんなこともすべて自動で勝手にできると思い込んでいた
それまでは学校という社会もあったし、それなりに何とかなってきた
だけど知らない土地で知らない人間関係の中では
1つずつ構築していかなければいけない
それがわからなかったし、何よりもできなかった。
そうして僕はひきこもりがちになっていた。
でもそのあとで同級生に聞くと
みんな同じような悩みを抱えていた
「友達がいない」とか「恋人ができない」とか
病気から回復して
それまでのワンルームマンションから友達の住んでいる下宿に引っ越し
少しずつ人間関係を構築していった。
それでも思うようにならないことばかりだった 当たり前だが
いろんなことをやってはすぐやめたりした。
写真も演劇もバスケットボールもバイトも
いろいろやったけど続かなかった。
まあ 服薬もしていたし
精神的にも不安定な時期だったなあ。
まあ 30年も前の話だから、もうよく覚えていない
人としゃべれなかったのは覚えている(笑)
ある時付き合っていた彼女の家に呼ばれて夕食をごちそうになった
彼女は3姉妹の長女で次女の彼氏も来ていた
母親しかいない家庭だった。
なんとなく気まずい食卓で僕はほとんどしゃべらなかった
次女と彼氏はしゃべってたけどね(笑)
昔は全然しゃべらなかった
2人の時は少し話すけど
まあ 今じゃべらべらしゃべりますけどね(笑)
たぶん いわゆる「雑談」ができなかったのだと思う
お母さんとも何を話せばいいかわからなかった
まさか「時々朝帰りですみません」とも言えないし
まあ 今なら言えますけどね(笑)
そんな時代でした(笑)
まあ 若かったのです
歳を取るのも悪くはないな(笑)
今日も賭けない一日を。