鬱鬱と。

いつの間に眠ってしまったのだろうか?

暗い、まだ眠い。

何時だ?

ここはどこだ?

昨日は確か、あの子が脱いだところで寝てしまったのか。

体が重い。

寒い、暖房は消したようだ

暗い、何時だろうか?

いやまだ16時か

またか

またか何もせずに暗くなるのか

また一日が終わってしまうのか

だから北国は嫌なのだ

北欧に鬱が多いの日照時間が少ないからだ。

スマホの通知で彼女からのLINEが数件来ている

どうする?

また寝るか

闇へ誘われる

深淵へ

深淵を覗く者もまた深淵なり

とは誰の言葉だっただろうか。

最近こんなのばっかりが続いている

落ちているのか

確証はないが気温や季節が影響しているのは間違いない。

加えて寝る前に観た「ファザー」のアンソニーホプキンスの最後の演技が本当に孤独の住人の叫びで

たぶん僕の中に入りこんでしまったのだ

寒くなって洗濯物をリビングに干していて圧迫感があるのもいけないだろう

起きたらまずはそれを寝室に移そう

落ちていきそうだ。

その時、スマホが鳴り始める

彼女だ

寝ぼけながら僕はLINEに出る

ビデオ通話に彼女が映る

「ねえねえ、この着ぐるみかわいいでしょ?ハンギョドンだよ。ねえ寝てんの?おっぱい見る?」

「見る!」

この世はデンジのような理由で生きるのが正しいのだと理解した。