ギャンブルをしなければ生き延びられなかったという話。

時々「ギャンブルが違法かどうか」や「ギャンブルが悪い」という話になったりもするが

物事の本質はそこではない。

あくまで僕の場合であるが当時は

「ギャンブルをしなければ生き延びられなかった」

それだけである。

僕にとってはギャンブルは「自傷行為」だったから。

あくまで僕の話なんだけどね。

社会にも適応できない、彼女もいない、仕事もうまくいかない、部屋に帰れば独り。

そんな状況では僕は「ギャンブルをするしかなかった」

「大金が手に入れば」

「あいつらを見返せる」

「居場所なんてない」

「もう考えるのも嫌だ」

そんな気持ちと向き合いたくなくて延々と台の前に座っていた。

もはや当たろうが当たるまいが関係ない。

この混沌とした気持ちを忘れさせてくれるなら何でもよかった。

ギャンブルから離れた今ならその気持ちがよくわかる。

「寂しさ」「やるせなさ」「虚無」

そんなものを抱えながら台に座っていた。

打ちながら思っていた。

「ああ、また死にたくなるんだろうなあ」と。

「勝っても負けても死にたくなるんだろうなあ」と。

全然楽しくなかった。

最後の方は泣きながら打ってたからなあ。

でも、その自傷行為は僕を楽にしてくれた。

リスカをする少女が「生きてる痛み」を感じるように。

その頃の僕は「胸にある穴」をくっきりと感じることができた。

ありありと感じた。

また幼い頃の僕が今の僕に話しかけることもあった。

そしていつも「今までの人生のどこかを修正しなければいけない」と感じていた。

感じていたんだけどどうすればいいかわからなかった。

途方にくれた。

カウンセリングにも通った。

クリニックもはしごした。

でも何も変わらなかった。

そんな時に出会ったのが「12ステップ」だった。

「12ステップ」は僕には合っていたから、僕を根底から変えてくれた。

「12ステップ」をやっていなかったら、ここにはいないと思う。

傲慢で、身勝手な人間で人を羨んでいたと思う。

僕らは聖人になる必要はない。

だけど、昨日の自分より少しだけ進めたらそれでいい。

今日も賭けない一日を。