最近ありがたいことによく相談を受けるようになった。
「ギャンブルがやめられません。どうしたらいいですか?」と。
んで、よくよく話を聞いていて
「ギャンブルするお金はどこから出ているのですか?」と聞くと
「家族が金銭管理しているので、こっそりクレジットカードでやってます!」とのこと
「クレジットカードをやめるのはできないのですか?」
「それはちょっと」となる。
大抵はそうなる。
「ほとんどの人はクレジットくらいは自分で返済できるし、何かあったら困る」
と誤解している。
大きな誤解である。
「ほとんど場合は自分で返せないし、何かある時はないし、そのために普通の人は貯金をしている」が正解である。
それでも納得しない。ほとんどのギャンブラーは。
僕は正直に言えば「ギャンブルができる環境にあるからギャンブルをしてしまう」というのがギャンブルをやめられない半分くらいの要因だと思っている。
例えば僕が今現金は400円ほどしかないが、下ろせる口座に3万円あったら、ギャンブルするかもしれない。
やらないと思うが、リスクは限りなく高くなる。
それが400円しかないのであればあきらめるしかない。
そういうことである。
もちろん、僕らはお金に対して天才なのでお金を作り出せる。
どんな手を使っても作り出すことは可能だ。
でも、それを除いて、防げることは防がなければ同じである。
防壁はどこかに作らなければいけない。
僕の話をしよう。
僕は20代に事業のためと言い、借りた金をギャンブルに使い込み800万ほど借金を作った。
それは祖父が肩代わりしてくれたが、そのほかにも金にだらしなく、様々な借金を作った。
つまり「借金癖」があったのだ。まあ病気だと思うが。
それに気づいた叔父がこれ以上借金ができないようにと「貸金協会」に「これ以上借金できないうように」と申請をした。
ぼくが30歳くらいの時だった。
当然僕はわめいた。
「車のローンもできないし、いろいろと困るんだよ!」とわめいた。
それでも叔父は申請した。
それからあらゆる信販会社、銀行の借り入れの審査は通らなくなった。
それから僕は借金ができなくなった。
困ることもあったが、何とかなるもんだったし、どうしても必要な時は親類に頭を下げた。
時々頭にきて、貸金協会に電話をして申請を取り下げられないか、聞いてみたが、叔父の許可がなければ無理だった。
そのうち、叔父が癌でなくなった。
それでも、叔父の許可がなければ取り下げができなかった。
それで僕は借入というものをあきらめて生活していた。
ところがである。
それから10年経ち、40歳頃、携帯電話のあるキャリア会社で支払いにカードを薦められた。
「どうせこれも通らないさ」といつものように断ろうとしたが
もしかしたらと思い、申し込みをしてみた。
それが通ったのである。
どういう理由かは知らないが通った。
もちろん僕も最初は「困った時に使えばいいさ」くらいの気持ちだった。
でも無理だった。
審査が通ると知ってしまったから。
つまり「他の会社も通るところはあるんじゃないか」
当然そう思った。
僕は片っ端から申し込んだ。
4件くらい審査が通った。
さらに頭は冴えていく。
携帯キャリアのクレカの審査は地方銀行がやっていた。
つまりそこの銀行の融資は通るとふんだ。
そして通った。
100万ほどひっぱれた。
我ながら天才である。
こうしてまたじゃぶじゃぶと金を使い始めた。
もう止まらない。
そして、任意整理。
お決まりのコース。
まあ3年かけてあと数十万だが。
若い時に自己破産して、10年円以上経ってまた借金を重ねているというのはよくある話だ。
何を言いたいかというと
「使えるお金があるからギャンブルをしてしまう」ということと
「クレジットであっても借金は借金」ということである。
そもそも
「あなたはクレジットカードを使ってもよい人間ですか?」
今日も賭けない一日を。
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