それは「頭の使い方」である。
ギャンブルをしていた時、寝ても覚めても、仕事中でも、恋愛中でも、子供と遊んでいても、ギャンブルのことを考えていた。
「あの台は今ごろ出ているだろうか?」
「どうやって金を工面しようか」
そんなことばかり考えていた。
思考の9割をギャンブルが占めていた。
今、ギャンブルをやめてみて、「頭が豊かになった」
言ってみれば「ストレージが空いた」気分である。
ギャンブル以外のことを考えるようになった。
つまり、頭を占めていたギャンブルに関することの9割がなくなった。
代わりに仕事や恋愛、お金、資格、映画、音楽、小説、そんなことをゆったりと考えることができる。
こんなにも脳というのは働くのだと最近は驚愕している。
ギャンブル脳は可能性を潰す。
ギャンブル脳は才能を潰す。
ギャンブル脳はあなたの人格を食いつぶしていく。
考えてみればわかる。
あなたがギャンブルをしている時、誰かは勉強をしている。
あなたがギャンブルをしている時、誰かは家事をしている。
あなたがギャンブルをしている時、誰かは恋人に会いに行っている。
そんなことを想像してみてほしい。
損しかないのだ。
でも、でもだ。
依存しなければ、生き延びられない時もある。本当に。
それにすがらなければ、孤独で、明日さえもままならない時もある。
そんな時は、仕方ないと思う。
味わうしかない。
こんな時もあると苦く、じりじりと鉛のような感情を味わい、やがて希望を見つけるまで、悔し涙を流すしかない。
それはきっともっと優しくなるための過程。
それはもっと強くなるための経験。
それはもっと、もっと未来のあなたのための準備。
だから、大丈夫。
今日も賭けない一日を。