湊かなえさんの本は時々読んでいる。
デビューの「告白」から時々読んでいた。デビュー作の「告白」のラストが衝撃すぎて度肝を抜かれた記憶がある。
それから時々読んでいるが期待を裏切られたことがない。
丁寧に絶望を書いていく、絶望、絶望、絶望。そして絶望。
僕はぞくぞくしながら、どこにかすかな希望を見せてくれるのだろうかと最後まで読んでいく。
そのふり幅に「未来」では2回ほど身震いをした。
小説を読んで身震いするのは本当にあまりない。
一時的に感じることはあるが、それは本当に丁寧に物語を構築してなければ無理である。
「未来」では「子供の貧困」や「虐待」の問題を扱っている。
丁寧に丁寧に裏を取りながら「絶望」を描いてくれる。
「終章」ですべてが解き明かされ、かすかな希望のかけらを見せてくれた時に僕は安堵する。
この作者はぶれない。ぶれずに世界と向き合う。そしてどんなに醜い世界でも、最後の数行で希望をにおわせる。
僕の思春期は絶望に満ちた世界だった。
今僕はあの頃の「未来」になっているだろうか。