あれは20代だった。僕は特にやりたいこともなく、精神薬でいつもどろんとし、そしていつも自殺を考えていた。時代は混とんとしていた。きっと今よりも。今は世界全体がどんよりしているけど、あの頃、1999年頃、僕にとっては「鬱の時代」だった。社会にも馴染むこともできず、どうしたらいいかもわからず、実家に寄生したりして、実家のPCの検索ワード履歴は「死にたい」であった。
どこかで「死にたい」と思いながらも、どこかで「生きたい」とも思っていた。
だから僕は僕を自殺から遠ざけるものを探し回っていた。
「生きがい」「やりたいこと」「繋がり」「愛」とかそんなものだった。
でも、僕には見つからなかった。日々ぼうっとしながら生き、叔父さんの財布から金を盗んではギャンブルをしていたので、そんな人生には生きる価値など見い出せなかった。
そんなある日、僕はいつものごとく書店で立ち読みをしていた。音楽雑誌を流し読みしていた時ふと雑誌のタイトルに目を惹かれた。
「音楽は自殺を止められるか。」
そんなタイトルだったと思う。
僕はなんとなく立ち読みをした。その記事の中である人が「この曲を聞いて、もう少し生きてみようと思った。」という記事が載っていた。僕は書店に併設されていたCDショップでそのシングルCDを買った。
それがこの曲だった。
それからなんとなくこの曲を繰り返し聞いていた。
こんなかっこいい人達がいるなら、もう少し生きてみるのも悪くないかもとは思った。
この後日談があって、20年以上経った今僕はyoutubeでこの曲をたまに聞くのだが、もれなくお笑い好きの僕のおすすめに出てくるのが次の動画である。
どうぞ御覧ください。
お後がよろしいようで、
今日も賭けない一日をありがとうございました!