処方薬依存症。

僕は処方薬依存症だった。だったんだと思う。もう血中濃度が薬がないと成り立たない状態になっていた。今は3年くらいかけて減らした。超絶楽である。「あ 脳ってこう働くんだ」と感動すらするほどである。

僕が向精神薬と出会ったのは20歳の頃である。いまから27年前。当時、アルバイトと一人暮らしから眠れなくなり、鬱状態になった。クリニックにかかり、軽い安定剤から始まり、抗鬱剤、抗不安薬、眠剤と8錠くらいは毎食飲んでいた。20歳の若者がである。

当時僕は不安神経症で、鬱も併発していたから服薬は必要だったし、症状を緩和するためには医師に従う他選択肢はなかった。当時いた自治体では「精神保健福祉法第32条」のおかげで通院、服薬が無料だった。つまり医者は薬を出せば出すほど儲かった。そういう事情もきっと医療サイドにはあったと思う。もちろん適切な服用は必要だった。

ただ、それから服用量は減る調整されることなく、医者も変わったりして、調子が悪くなると様々な薬を試した。もちろん認知行動療法などのことも知っていたが、カウンセリングは治療費が高すぎてやらなかったし、「あなたは薬の方が合っている」と言われたこともあった。

飲んでいた薬の中には「依存性が高い」ということで禁忌になった薬もあった。いろいろ薬を試しながら25年飲んでいた。もちろんその間には飲まなくてもいいかなという時期もあったが、必ず離脱症状と調子が悪くて「やっぱり薬は必要なんだ」と思ったりしたし、「あなたは一生飲んだ方がいいよ」と言われたこともあるので、そうかもしれないなあと思いやめられなかった。

「社会に適応して生きていくためには仕方ないんだな」と思っていた。

一番怖かったのは「社会に適応できなくなる」ことだった。

ストレスで適応できない度に社会不安障害なんだなと自分で納得していた。

まあ ただ波もある。

今は調子がいいし、ストレスも少なく、薬も減らしている。

特に抗不安剤を飲まなくなってから、朝から職場で爆睡することがなくなった。(笑)

「Rさんは成長したね」と上司に言われたが、なんのことはない、薬を減らしただけである。

もちろん、症状に応じて薬は適切に服用すべきであるし、医師の指導に従うべきだと思う。

ただ、処方薬依存の場合は患者が知らずに医師に処方された薬をただ飲んでいて、依存症になった場合もあるのではないかということ。患者は医師が処方したものは特に疑問も持たずに服用するので、その辺は医療サイドがしっかりしてほしいと今医療サイドにいて思うのである。

今日も賭けない一日を。