ある会場にて、Rさんの告白。

「それではここに繋がった経緯をRさん話していただけますか?」

「はい、ギャンブル依存症のRです。僕は2年前どん底にいました。離婚をし、一人で孤独を抱え、ギャンブルも辞められず、どうしたらいいかわかりませんでした。借金もありましたし、生活も楽ではありませんでした。それなのにギャンブルは止まりませんでした。やめければいけないのはわかっていましたが、どうしてもやめれませんでした。家にある家電はほとんど売り払いました。

ある時、生活費のためにもう売るものがなくて自転車を売ろうと思いました。リサイクルショップまで自転車で行き、2000円になりました。その帰り道とぼとぼ歩きながら道すがらのパチンコ屋に入り1パチを打っていました。それからしばらくは水だけで過ごしました。

そんな時、Twitterをはじめました。それでも何度も何度もスリップしました。そんな時、ギャンブル依存症のアカウントを見つけました。僕は必至でDMを送りました。ギャンブルがやめられません。助けてくれませんか?と。

先行く仲間は僕をネットのミーティングに誘ってくれ、また他の仲間、家族の方と繋がることもできました。その頃、僕の心にははっきりと穴が空いていました。僕は仲間にたずねました。僕の心の穴はどうやったら埋められるのだろうか と。

仲間は優しく答えてくれました。大丈夫!仲間とやめ続ければいつか穴は塞がるからと。僕がスリップして泣いていた時も仲間は優しく励ましてくれました。誰にでもあることだし、病気だから仕方ないんだよ と。ある時、スリップしてもやしばかりで生活している僕を仲間は笑い飛ばし、心配してくれました。

そうして僕は仲間の中でやめ続けることができました。やがて、何でも言い合えるような仲間がたくさんできました。僕は次第に生きづらさを抱えていてもこんなに明るく、楽しく生きている人達がいるんだと知ることができ、僕もそんな風に生きたいと思うようになりました。

僕は回復のプログラムをやりながら、ミーティングに出続けました。いろんなトラブルもありましたが、プログラムを拠りどころとしました。

そしてある時、仲間に言われました。「Rさん、すごく変わったね」と僕はその言葉が本当にうれしくて、嗚咽をもらして泣きました。その言葉を今でも忘れることはありません。いつしか僕の心の穴は塞がっていました。

そうして僕は今ここに存在しています。私の話は以上です。ありがとうございました。」