専門家的なことはわからないが、最近、ギャンブル依存症は脳の回路の問題だと思うようになってきた。「生活習慣病」と言えなくもないが、「脳の回路」の問題と言った方がしっくりくる。
本当に医学的なことはわからないので、ここでは書かないし、専門家に任せるが、例えば、「ストレスが溜まったら、ギャンブルをやろう」とか「うれしいことがあったから、ギャンブルをしよう」とかいう行為は「~したら、ギャンブルをしよう」という回路が出来上がってしまっているのではないかと思う。
たぶん、それはギャンブルを経験した初期の頃に、ギャンブルをしたらドーパミンが出るように快楽中枢の回路が出来上がってしまったのだと思う。その快楽中枢に逆らうにはなかなか難しい。意志の問題とかではなくて、物質なので。
たばこを吸ったことがあるだろうか。僕はたばこをやめて10年くらいになるが、あれもニコチン依存症である。たばこを吸う⇒体内にニコチンが取り込まれる⇒快楽中枢を刺激する⇒ニコチンがない状態が耐えられなくなる。
およそ、こんなプロセスをたどるのではないだろうか。たばこも1年もやめればだいぶ楽になるし、また、1本吸えばまた元の生活である。
ギャンブルもある程度同じで、依存から離脱するには「断つ」しかない。きっぱりやめることである。そのための心理的な離脱のために自助グループやプログラムがある。
1年もやめると別の回路もできてきて、「ギャンブルをする」という回路を選ばなくなってくる。これは本当に離脱すればするほど楽になっていく。
もちろん、ギャンブル以外の生き方や、普段の生活の見直しなど、立て直すことはたくさんあるが、ギャンブルを「断つ」というのがもっとも効果的だと思われる。
もちろん、それが難しいから、みんな四苦八苦している。最初の1か月なんて本当に大変である。「回路」ができちゃっているから。「仕事終わったら、ギャンブルしよう」とか「ギャンブルしてお金増やそう」とか回路ができちゃってるから。
それをしないためには「離脱」しかない。ある程度の「離脱」。90日、いや半年、1年。は必要だろう。依存症からの回復のプロセスはそれ以外にない。
あとはいかにその「回路」に戻らないようにするか、「最初の1回」に手を出さないようにするかは自助グループやプログラムを継続していくしかない。
なぜなら、僕らは痛みを忘れるから。90日経った時、「なんで俺だけギャンブルをやめなければいけないのか、みんなやってるし、娯楽ではないのか?」こんな考えがふとよぎり、再びやってしまう。
もっとも大事なことは「自分はギャンブルをしても良い人間なのだろうか」をきちんと理解することである。
昨日、スーパー銭湯でたまたま、若い3人の男の子が「4連休で10万負けたなあ」と話していた。特にうらやましくも何ともなかったし、時間もったいないなと思ったけど、きっと「君たちギャンブル依存症だよ」などと言ったところで、響かないんだろうなと思った。
今日も賭けない一日を。