僕らは弱い存在だ。

僕らは弱い存在である。自尊心は低く、注意されるとすぐ凹み、立ち直りが遅い。僕はよく昔から「弱い人間はどうやって生きていけばいいのだろうか」と考えていた。

世の中は弱肉強食である。変化に対応できなければ、蹴落とされるし、人間関係をうまくやれなければ、生活費を稼ぐこともできない。そのためには強くならなければならない。強くならなけば、生き残れない。

引きこもっているだけでは生きていけない。社会的につながりを持たなければ生きていけない。明るくなければ生きて行けない。稼がなければ生きていけない。いったい弱い僕らはどうやって生きていけばいいのだろうか。

僕らが何をしたと言うのか。ただ生きてきただけなのに。ただ言われた通りに生きてきただけなのに。いい子にし、言うことを聞き、問題のない子だった。それなのに。いい高校、いい大学、そして大学を卒業したら、いい大人、いい会社、いい家庭、いい子育て。どこまでいけば辿り着けるのだろうか。

さっさと問題ある子だと烙印を押された方がきっとましだったかもしれない。僕らはどこへ行き、どうやって生きていけばいいのだろうか。うまく生きられない人間は消えればいいのだろうか。

そう思っていたら、うまく生きられない仲間と出会うことができた。仲間も僕らと同様にうまく生きていけなかった。そして、どう生きればいいかわからなかった。

やがて、僕らは集まり、共に話をし、悩みを共有し、励ましあった。そうやって生きることでお互いの生きづらさが少しだけ軽くなった気がした。そうやって僕らは生きていくことにした。

僕らは弱い存在だ。

だけど、弱い存在なりに懸命に生きている。だからどうかイジメないでほしい。

弱いけど、僕らなりに懸命に生きているのだから。