僕は自分を責めるのをやめた。

ギャンブルをやめるまで僕は自分に自信がなかった。なぜかというと、ことあるごとに自分を責めていたからだ。「ギャンブルやめれないなんて、お前はくずだ。」「こんな仕事もできないなんてお前は最低だ。」「人を思いやれないなんて、お前は死んだ方がいい」と普通に責めてきた。

自分で自分を責めるのだから、歯止めがきかない。僕の自責の念はきっと鬱とかではなく、思考の癖なのかもしれない。その思考の癖が鬱状態を引き起こすと言った方が正しいのかもしれない。

ともかく、自分を殺し、否定してきた。そういうことを続けるとどうなるか。自分に自信がなくなり、自尊心はボロボロで、生きていくのが怖くなり、常に怯えて暮らすことになる。そうなると仕事で少し間違いを指摘されたくらいで、「もうだめだ。死んだ方がいい」と思い、常に怯えて仕事をしていた。世界が怖かった。

12stepプログラムを学び、仲間と経験と知恵を共有することによって、次第に自分を責めなくてもいいことに気づいていった。そしてだんだんと自分を責めなくなった。そうしたらどうだろう。こんなにも生きている世界は安楽なのだと思った。

世界は怯える必要はなく、僕に危害を加えるものではないと認識し始めた。そう思えたら、人に注意されても、怯えなくなった。「また次、失敗しなければいいし、改善すればいい。自分の人格を否定されたわけではない。」と思えるようになった。成長である。

アダルトチルドレンの人が生きていくのは本当に大変なことだと思う。自己否定で育っているので、普通の人とは違う世界に住んでいるのだ。そこから普通の人のように自尊心を回復するにはかなりの訓練を必要とする。そして、その訓練は一人では決してできない。

そういう経験ができた僕は本当に幸運だと思う。