ナツジさんの場合。

30歳。
2回目のパチスロ通いも佳境を極め、
いよいよ後が無くなりました。
借金額は360万円。天井貼り付き、何社かはすでに返済専門になっています。

彼女(嫁です)との交際は3年を迎え、
プロポーズもしていました。
というか先日実家に連れて行ったときに
親に無理やりプロポーズさせられてた、という状況です。
3年前にやはり360万の借金で破綻した僕を早く落ち着かせようと、
親も躍起になっていたのだと思います。

職場恋愛でしたから周りからもいつになったら結婚するのか
不思議に思われていたと思います。
全ては僕の隠し事(=ギャンブルによる借金)のせいなのですが、
とにかく僕の気持ちとは真逆にとんとん拍子に話は進み、
新居もあとは入居するだけになっていました。

入居日の2週間前の日。

その日は宿直で会社に泊まっていました。
僕と彼女はその頃彼女のアパートにほぼ同棲しておりましたが、
この数日何かと理由をつけては会わずに会社の寮に帰っていたのです。

頭の中は「どうしよう、どうしよう」ばかり。
結婚したら借金がバレる。
もう完全に後戻りできないところまで来てしまった。
今から2週間で何とか360万円を作らなきゃ。
どうやって作ろう、どうしようどうしよう、、、

でも結局ギャンブルしか思いつかない。
それしかないじゃないか、と泣き叫びながら車を走らせます。
その宿直の日は給料日でしたが、日中の空き時間に
スロットで既に給料の3分の1は使ってしまいました。

つまり360万どころか今月分の支払いすらできない状態。
ちなみに先に支払ってしまうと手持ちは数千円になってしまいます。
支払いの前に増やしておかないと・・・
毎月失敗に向かう恒例の行事のようなものでした。

夜中も何度も彼女から着信が入ります。
結婚間近、新居も決めてある。
女性として一番心輝く時期に彼氏が連絡を拒絶しだしたのです。
その心中ははかりしれません。

その夜は本当に30分と空けず、ひっきりなしに着信がありました。

僕は宿直部屋の天井を見上げ、明日は行ったことのない競輪にでも行ってみよう、と
考えていました。
パチスロでは今日から2週間で万枚を18回出さないと返せない。

ありえない。

レース系なら多く賭ければ配当も多いんだから、
この残った給料で勝負に出るしか道はないだろうな、、、

隣町に競輪場があったはず。
やったこともないけれど、、、
競馬なら何回か行ったことあるし、やるしかないだろう。

ていうか、明日やってるのかな、、、

この夜の僕はどんな顔をして天井を見ていたんだろう。
2週間後に迫った結婚。
鳴り止まない彼女からの電話。
給料日初日にして3分の1が無くなった給料と、
明日明後日で払わなくてはならない7社360万円の利息。

あの日電話を無視し続け、競輪に行っていたらどうなっていたんだろう。

開催していたとして、買い方も分からない状態で残りの給与を賭け、
どんな結末に辿り着いていたんだろうか。

結論から言うと、翌朝競輪場には行かないまま僕は2回目の破綻を迎えることになります。
朝、会社の電話に彼女がかけてきたのです。

出ないわけにいかない。

周りに誰もいない部屋でした。
半狂乱の彼女に、ついに伝えます。

「俺、また借金があるんだ」
「はあ!!!?何言ってんの??」
「だからまたパチスロで借金したんだよ」
「え?え?何、何言ってんの?いくらなの?」
「360万」

「はああ!!!?何言ってんの?
 うそでしょ、だってもう来月には    

 わあああああああああああ!!!!!!」

今でもその叫び声は覚えています。

というか、、、

先日3回目のカミングアウトをしたときに
嫁が同じ声を出したから、思い出したというのが正しいです。

投げ出すように電話を叩きつけ切りました。
宿直終了の時間になり、呆然とした顔で職場を後にします。
宿直明けは休日でした。
僕の車の前に彼女が立っていました。

一息入れますね。
付き合っていただいて申し訳ないです。

読んでくださり
ありがとうございました。

~~~~~~~引用終わり~~~~~~~~~~~~~

どの方の話も切なくて、身に染みて嫌になりますね。

ナツジさんは僕のアイコンも書いてくれましたし、漫画も描いています!!

続きはこちら⇒世界の終わりをもう一度

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