旧優性保護法を知っていますか?

この記事は社会問題を扱うので、慎重に書きますが、多くの人が知ることができたらいいですね。知らないってことは怖いなと思いました。

そもそも、昨日、映画「特捜 Q 64 カルテ番号64」を観たことがきっかけでした。その映画の題材はデンマークで実際行われていた「優性思想に基づく強制的な不妊手術」を扱ったものでした。もちろん映画ですので、脚色されている部分もありますし、あくまで物語です。ただ、本当にそのようなことが行われていたのは事実のようです。

簡単に言うと「優性思想」に基づき、知能や障害を持った女性の強制不妊手術を行っていたというのです。おぞましいですね。最初、僕はそう思いました。だけど、僕には引っかかることがありました。

それは日本でも行われていたという事実です。信じられるでしょうか?それを知るきっかけとなったのが、ラジオでした。僕は毎朝、通勤時に車でラジオを聞いているのですが、ある時、こんなアナウンスが流れてきました。

「旧優性保護法で不当な扱いを受けたことがある方は市役所に相談いただければ、国の賠償を受けられる場合があります」

という内容でした。公共のアナウンスです。僕の頭はパニックになりました。

「優性保護法?そんなおぞましい法律があったのか?それが施行されていたとは。。」

その時は気に留めませんでした。

昨日、映画を見てから、思いだしたのです。そういえば日本にも「優性保護法」があったんだな。

そして、調べていくうちにさらに驚愕の事実がわかりました。

~以下抜粋~

旧優生保護法(1948~1996)のもとで行われていた障害者の強制不妊手術。今年1月、宮城県の60代の女性が、知的障害を理由に手術をされたことは憲法違反だったとして国家賠償請求を起こしたことをきっかけに、いま全国各地で声があがり、実態の掘り起こしが進められています。

― まず「優生保護法」とはどんな法律だったのか、ということから教えていただけますでしょうか?

米津:はい。この法律は、1948年から1996年まで施行されていました。
「第一条」に “優生上の見地から、不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命・健康を保護することを目的とする”と書いてあります。つまり、優生思想をもった法律でした。障害をもつ人に、中絶や不妊手術をさせる条文がありました。

~引用元 旧優生保護法ってなに? NHKハートネット 福祉情報総合サイト

え~と NHKのサイトですよ。つまり国が認めているですね。しかも1948~1996ですよ。1996年と言えばたかだか24年前まであったのです。今ではもちろん考えられません。それが「優性思想」に基づいたものだということです。

驚愕じゃないですか?そして強制不妊手術をさせられた人が実際にいて、訴訟を起こし、国は賠償して終わり。海外の話ではなくて日本ですよ。「優性思想」を持った犯罪者を笑えるのでしょうか?

それよりも何よりも、僕も含めて、政治家も国民もそういう法律が施行されていることを知らずに、整然と成り立っていたことです。もちろん今は廃止されていますが、すごいことですね。

ほんとに知らないことって怖いです。

もう一つ、みなさんは「ハンセン病」を知っていますか?昔流行った伝染病です。今はほとんど治るのですが、昔は発症した者を隔離する政策をとっていました。全国にはハンセン病の療養所が20か所くらいあります。「ハンセン病とは?」

僕がハンセン病を知るきっかけになったのは、僕の地域には国立の療養所があり、最初何の療養所なんだろうと思っていたのですが、介護の仕事をしていた時、そこで働いていた方と話す機会がありました。

療養所での暮らし、世間からの差別、戸籍を抹消した人もいたそうです。

そういうことを僕は知りませんでした。のほほんと生きていれば知らなくていいことかもしれません。ただ、そういう事実はあったのだということはきちんと知って、差別や障害などの考え方をきちんとアップデートしていく必要があると思います。

今ある、女性差別やLGBTへの差別だって100年後にはなくなっているかもしれません。ただ、それには今、この時に声を上げていくことが大事なのかもしれません。

たまに社会派の記事でした

よい週末を。