ACは感情の伝え方を知らない。

ACは基本的に人が怖いから、感情や気持ちを伝える方法がわからないんだと思う。だから、正当化したり、物事が大きくなってから言い出したりする。そこには基本的、「怖い」という感情が潜んでいると思う。でもそれはその人のせいではなくて、生育歴だったりするんだけど、円滑に生きてくためには練習が必要だと思う。

そもそも僕も一人っ子で育って、自分の意見を言う子供ではなかった。友達は勝手にできるもんだと思っていたし、「こういうことは僕は嫌なんだけど」なんてことを言ってもいいのだという感覚は全くなかった。家庭では祖父が絶対的権力を握っていたし、何かを主張するためには泣くしか、僕は主張する方法を知らなかった。

そのまま、高校、大学と成長するうちにいろいろと障害が出てきた。まず自分の意見を言うことができなかった。自分の意見を言うことに罪悪感を抱いていたから、自分が消えればいいと思っていた。まず、高校の時に壊れた。誰も自分の言うことを聞いてくれる人はいないと思っていた。

そして、大学でさらに壊れた。友達の作り方を知らなかった。アルバイトなどで社会に出てからも困った。人に合わせることができなかったのである。都合が悪いことは引きこもった。

そういうことを繰り返していても、世間の価値観は強大だった。「働かなくては一人前ではない」と言われ、働いた。「いつ結婚するんだ」と言われ、結婚した。結婚生活の中でもトラブルが起きるようになった。自分の意見が言えないのだ。

そして、自分の意見が通らないと不機嫌になる。相手にとっては何が不機嫌なのかよくわからなかったと思う。だけど、僕にとっても、伝え方がよくわからないのだ。これを言ったら、怒られるだろうかとか思っていると言わない方がいいかなと思っているうちに不満は折り重なっていく。

自分に気持ちを言えるようになってきたのは本当に最近の話である。自助グループに通って、プログラムをやっていろんな人も意見を聞くようになって、やっと少しずつ意見を言えるようになった。自分を否定する人ばかりではないんだなと気づいたからだ。

ただ、本当にそれまでは伝え方がわからなかった。わからないし、傷つけたり、怒られたりするよりは自分で黙っているか、独りでいる方がいいと思っていた。伝え方についてはまだまだ修行中だし、できるようになったと思えないが少しずつ練習するしかないのである。練習あるのみである。